最新!あなたのクレジットカードは大丈夫?巧妙化する不正利用、今すぐできる対策とは

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クレジットカード不正利用の現状と対策

クレジットカードは、現代社会において非常に便利な決済手段として広く普及しています。

しかし、その利便性の一方で、不正利用のリスクも増加しており、消費者にとって大きな脅威となっています。

この記事では、近年のクレジットカード不正利用の手口や事例、そして効果的な対策について詳しく解説していきます。

近年のクレジットカード不正利用の傾向

クレジットカードの不正利用は、年々増加傾向にあり、手口も巧妙化しています。

2023年の世界におけるクレジットカード詐欺による損失は、前年比1.1%増の338億3,000万ドルに達しました。

特に、米国は世界のカード支出の約4分の1を占めているにもかかわらず、世界の詐欺被害の約42%を占めており、大きな標的となっています。

一方で、クレジットカードの不正利用に関する報告件数は減少傾向にあります。

2023年のクレジットカード詐欺の苦情は426,045件で、2022年の448,470件から5%減少しました。

さらに、2024年前半のクレジットカード詐欺の苦情は214,607件で、2023年前半の224,304件から約4.5%減少しています。

主な不正利用の手口

フィッシング詐欺
偽のウェブサイトやメールを巧妙に作成し、クレジットカード情報や個人情報を盗み取る手口です。

例えば、2024年には、MicrosoftやGoogleを標的とした新たなフィッシングキャンペーンが発生しました。

スキミング
ATMやPOS端末などに不正な装置を取り付け、カード情報を読み取る手口です。
カードを読み取るスロットにスキミング装置を挿入したり、PINパッドの上に偽のキーパッドを重ねて入力情報を盗み取ったりするなどの方法が用いられます。

マルウェア
コンピュータウイルスなどを利用し、カード情報やパスワードを盗み取る手口です。

2024年3月には、銀行の支払い通知を装った巧妙なフィッシングメールが出現し、添付ファイルを開いたユーザーのコンピュータに情報窃取マルウェア「Agent Tesla」を感染させる攻撃が確認されました。

具体的な事例~情報漏洩事件など

グリーンベイ・パッカーズのオンラインストアへのハッキング事件
2024年10月、NFLチームのグリーンベイ・パッカーズの公式オンラインストアがハッキングされ、8,500人以上の顧客のクレジットカード情報が盗まれました。

医療費請求会社Medusindの情報漏洩事件
2023年12月、医療機関向け請求サービスを提供するMedusindで発生したデータ漏洩により、36万人の個人情報と健康情報が流出しました。

フィッシング詐欺

ロシアのハッカー集団Midnight Blizzardによる大規模なスピアフィッシング攻撃

⇒2024年10月、Midnight Blizzardと呼ばれるロシアのハッカー集団が、政府、学術機関、防衛、NGOなどの100以上の組織のユーザー数千人を標的に、リモートデスクトッププロトコル(RDP)ファイルを使用したスピアフィッシング攻撃を行いました。

この攻撃は、Microsoft、Amazon Web Services(AWS)、ゼロトラストの概念に関連するソーシャルエンジニアリングの罠を用いた標的型メールによって行われました。

個人情報漏洩のリスク
クレジットカードの不正利用は、金銭的な被害だけでなく、個人情報漏洩のリスクも伴います。

犯罪者は、盗み取ったクレジットカード情報や個人情報を利用して、新たなアカウントを開設したり、ローンを組んだりする可能性があります。

これらの事例からもわかるように、クレジットカードの不正利用は、個人だけでなく、企業にとっても深刻な被害をもたらす可能性があります。

政府機関による取り組み

消費者庁と金融庁は、クレジットカードの不正利用を防ぐために、それぞれ異なる役割を担っています。

消費者庁
消費者庁は、インターネット消費者トラブルに関する情報を発信し、注意喚起を行っています。

具体的には、以下の情報を提供しています。

◎インターネット消費者トラブルに関する記事
インターネット消費者取引連絡会の資料・議事録
独立行政法人国民生活センターのインターネットトラブルに関する情報。

・相談事例と解決結果
特に、近年増加している偽のECサイトによる被害を防ぐために、消費者庁は注意喚起を行っています。

偽ECサイトは、正規のECサイトの商号やデザイン、商品写真などを無断でコピーして作成され、代金支払後も商品を発送しなかったり、偽ブランド品を発送したりするなどの被害が発生しています。

消費者庁は、以下の点を確認することで、偽ECサイトを見分けることができると助言しています。

・表示URLが、購入を希望している正規のECサイトのURLと一致しているか?

・サイトに事業者の情報(所在地、電話番号、代表者名など)が明記されているか

・連絡先にフリーメールアドレスが使われていないか

・日本語の表現が不自然でないか

・商品の価格が、他のECサイトと比べて極端に安くないか


金融庁
金融庁は、金融サービス利用者向けの相談窓口を設置し、フィッシング詐欺などに関する注意喚起を行っています。

また、金融サービス利用者の保護を目的とした政策や規制を策定・施行しています。

さらに、金融庁は「FinTechサポートデスク」を設け、フィンテックに関する問い合わせや情報交換に対応しています。

FinTechサポートデスクでは、フィンテック事業を運営している企業や、革新的なアイデアでフィンテックのスタートアップを検討している企業からの幅広い問い合わせを受け付けています。

政府機関は、消費者への注意喚起、消費者サポートの提供、そしてクレジットカード不正利用対策のための規制の確立など、重要な役割を担っています。

これらの取り組みは、消費者が安全にクレジットカードを利用できる環境を整備するために不可欠です。

クレジットカード会社によるセキュリティ対策

クレジットカード会社は、不正利用を防ぐために、様々なセキュリティ対策を講じています。

ICチップの導入
カードにICチップを搭載することで、偽造やスキミングを困難にしています。

3Dセキュア
オンライン決済時に、パスワードなどの本人認証を強化する仕組み。

不正利用検知システム
AIや機械学習を用いて、不正利用の可能性が高い取引をリアルタイムで検知するシステム。

AI不正利用検知システムは、適応性、拡張性、自己改善能力に優れており、 常に進化する不正利用の手口に対応することができます。

Visaは、不正利用から消費者を保護するための包括的なサポートを提供しています。

具体的には、以下の取り組みを行っています。

・Visaのゼロライアビリティポリシー
不正利用による損失をVisaが負担する制度。

・チップ技術とトークン化
実店舗、オンライン、モバイルデバイスでの取引を保護するための技術。

Visa Protectソリューション
支払いの全過程における不正行為を防止するためのソリューション。

Visa Protectソリューションは、決済エコシステム全体で発生する不正行為をリアルタイムで特定し、取引の流れを妨げることなく不正行為を防止することに重点を置いています。

◎AIや機械学習を用いた不正利用検知システム
近年、AIや機械学習を用いた不正利用検知システムの開発が進んでいます。

これらのシステムは、大量の取引データを分析し、不正利用のパターンを学習することで、より精度の高い不正利用検知を可能にします。

(AI不正利用検知システムの主な機能)

異常検知
正常な取引パターンから逸脱した取引を検知します。

予測分析
過去のデータに基づいて、将来発生する可能性のある不正利用を予測します。

行動分析
ユーザーの行動をリアルタイムで監視し、不正利用を示唆する異常な行動を検知します。

AIは、不正検知だけでなく、金融機関の顧客確認(KYC)およびマネーロンダリング防止(AML)要件の遵守にも役立ちます。

AIを活用することで、金融機関はこれらの要件を満たし、AML、制裁違反、KYCシステムの不備による罰金を削減することができます。

これらのシステムは、クレジットカード会社だけでなく、ECサイトなどでも導入が進められており、不正利用の防止に大きく貢献することが期待されています。

クレジットカード不正利用を防ぐための対策

クレジットカードの不正利用を防ぐためには、消費者自身もセキュリティ対策を講じる必要があります。

☆具体的な対策
⇒パスワードの管理
推測されにくいパスワードを設定し、定期的に変更しましょう。

パスワードを使い回すことは避け、重要なアカウントには特に強力なパスワードを設定することが重要です。

⇒セキュリティソフトの利用
コンピュータウイルスやマルウェアからパソコンやスマートフォンを保護しましょう。

最新のセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことが重要です。

⇒不審なメールやSMSへの注意
フィッシング詐欺の疑いがあるメールやSMSには、安易にリンクをクリックしたり、個人情報を入力したりしないようにしましょう。

送信元のアドレスやメッセージの内容をよく確認し、不審な点があれば無視することが重要です。

⇒クレジットカードの利用明細の確認
定期的に利用明細を確認し、身に覚えのない取引がないか確認しましょう。不審な取引があれば、すぐにクレジットカード会社に連絡することが重要です。

⇒クレジットカードの保管
カードを安全な場所に保管し、紛失や盗難に注意しましょう。

外出時には、必要なカードだけを持ち歩き、使用後はすぐにしまうように心がけましょう。

クレジットカード利用における注意点

同じパスワードを複数のオンラインアカウントで使用しないようにしましょう。

ブラウザやウェブサイトにクレジットカード情報を保存しないようにしましょう。

公共のWi-Fi接続の使用は避けましょう。

自動支払い や日常的な支出に同じクレジットカードを使用しないようにしましょう。

 

不正利用リスクが少ないクレジットカードの選び方

ここでは利用リスクが少ないクレジットカードを選ぶためのポイントを解説し、代表的なクレジットカード会社の不正利用対策を紹介します。

さらに、年会費やポイント還元率などの基本情報も比較することで、読者一人ひとりのニーズに合った安全なクレジットカード選びをサポートします。

 

会社名 不正利用対策 特徴
三井住友カード 不正利用検知システム、SMS・メール・アプリ通知・LINEによる確認 24時間365日体制で不正利用を監視し、不審な取引を検知するとカードの利用を一時停止。カード所有者に迅速に確認を行い、不正利用を未然に防ぎます。
三菱UFJカード 不正利用検知システム、保留取引ご確認メール、電話・SMSによる本人確認 24時間体制で不正利用を監視し、不審な取引を検知すると取引を保留。保留取引ご確認メールを送信し、電話やSMSで本人確認を行います。 不正利用の危険性があるカードは、新しいカードに差し替えます。
楽天カード 本人認証サービス、カード利用のお知らせメール、第2パスワード、不正検知システム、ICチップの搭載、カードの差し替え、通報ダイヤル 多岐にわたる不正利用対策を導入。本人認証サービスやICチップの搭載など、セキュリティを強化しています。
JCBカード 不正検知システム、電話・メール・SMS・アプリ通知・書面による連絡 24時間365日体制で不正利用を監視し、不審な利用を検知するとカード利用を一時停止。カード所有者に電話、メール、SMS、アプリ通知、書面など、さまざまな方法で連絡します。

 

補足~不正利用時の補償内容

クレジットカード会社は、不正利用による被害を補償する制度を設けています。

ただし、カードの名義人(会員)に重大な過失がある場合は、補償の対象外となる可能性があります。

例えば、パスワードを安易な番号に設定したり、カード情報を不用意に第三者に伝えたりした場合などが該当します。

主なクレジットカード会社の補償内容は以下の通りです。

◎三井住友カード: 年間100万円まで補償

◎三菱UFJカード: 全額補償

◎楽天カード: カード契約者に過失がなければ返金

◎イオンカード: 不正利用の被害に遭われた場合、所定の手続きを経て補償を受けられます。

◎JCBカード: 会員規約に基づき、規約違反や故意・過失がなく第三者による不正使用と判断された場合、紛失・盗難の届出日の60日前以降に不正使用された代金は補償されます。

クレジットカードのセキュリティ対策について

クレジットカードのセキュリティ対策として、以下の機能が有効です。

☆3Dセキュア
インターネットショッピングの際に、本人認証を行うことで不正利用を防止するサービスです。

パスワード入力に加え、最近はスマートフォンアプリでの認証など、より安全な方法も導入されています。

EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)と呼ばれる最新バージョンでは、リスクベース認証や決済フローの改善など、より安全で使いやすい認証体験を提供しています。

☆ICチップ
偽造や複製が困難なICチップを搭載することで、セキュリティを強化しています。

ICチップには、カード情報が暗号化されて記録されているため、スキミングなどの被害からカードを守ることができます。

ただし、ICチップが破損する可能性もあるため、注意が必要です。

☆トークン化
実際のカード番号の代わりに、トークンと呼ばれる代替番号を使用することで、カード情報の漏洩リスクを軽減します。

トークンは、実際のカード番号とは異なるため、たとえトークンが盗まれても、カード番号は漏洩しません。

不正利用対策がしっかりされたクレジットカードの年会費、ポイント還元率、付帯サービス

☆三井住友カード(NL)
・年会費:永年無料
・ポイント還元率:0.5~7%
・附帯サービス:ショッピング保険、海外旅行傷害保険

☆三菱UFJカード
・年会費:永年無料
・ポイント還元率:0.5~15%
・附帯サービス:ショッピング保険

☆楽天カード
・年会費:永年無料
・ポイント還元率:1~3%
・附帯サービス:ショッピング保険、海外旅行傷害保険

☆イオンカードセレクト
・年会費無料
・ポイント還元率:0.5~1%
・附帯サービス:ショッピング保険

・JCBカードW
・年会費:永年無料
・ポイント還元率:1~10.5%
・ショッピング保険、海外旅行傷害保険

※JCBカードWは、JCB ORIGINAL SERIESのスタンダードカードで、年会費永年無料でポイント還元率が高いことが特徴です。

 

自分の利用状況に合ったカードを選ぶ

クレジットカードを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

☆ライフスタイル
よく利用するお店やサービス、利用頻度などを考慮します。

例えば、楽天市場をよく利用するなら楽天カード、イオンをよく利用するならイオンカードがお得です。

☆年会費
年会費無料のカード、あるいは年会費に見合う特典があるカードを選びます。

☆ポイント還元率
ポイント還元率が高いカードを選びます。

ポイント還元率は、カードによって異なります。
付帯サービス 旅行傷害保険やショッピング保険など、必要な付帯サービスが付いているカードを選びます。

☆セキュリティ対策
不正利用対策が充実したクレジットカードを選ぶ。

 

当記事のまとめ

クレジットカードは、セキュリティ対策が充実しているものを選び、不正利用のリスクを最小限に抑えることが大切です。

この記事で紹介したクレジットカード会社の不正利用対策やセキュリティ対策が充実したカードを参考に!

自分に合った安全なクレジットカードを選び、適切なセキュリティ対策を行うことで、安心してクレジットカードを利用しましょう。

より詳しい情報を得るためには、各クレジットカード会社のウェブサイトを確認したり、窓口に問い合わせたりすることをおすすめします。

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